実例・ノウハウ|WEB
大阪大学 経営企画オフィス(URA 部門)が実践する効果的なWEB活用 <概要>
若手教員等ホームページ作成支援事業(学内公募)として、研究者の個人ホームページ(ウェブサイト)の新規開設を支援する。サイト構築や運用に関する相談に応じる。
● 支援対象: |
若手教員・女性教員・外国人教員。自身の研究実績等の情報発信を主目的とするサイトに限る。 http://www.ura.osaka-u.ac.jp/ |
---|---|
● 支援内容: |
①研究業績・研究内容等の情報発信などをインターネット上で継続して行う上で、<研究活動のベースキャンプとして活用できるウェブサイト>を設置するための相談に応じる。(目的を明確にし、目的に沿ったウェブサイトの構成を考え、どのような計画でどこに開設し、どうやって運用するのかなどを考える段階を指す) |
②相談の結果、ホームページの新規設置ないしは既存のホームページを刷新(リニューアル)を行うことが決まった場合は、制作費用(外注費)を支援する。※金額に上限があります。 |
|
③開設後は、より効率の良い運用方法に向けた改善、新たな機能やコンテンツの追加などに関する相談に応じる。 |
|
● 使用システム: |
Movable Type(MT)や WordPress というブログ・ソフトウェア(CMS)を利用することが多い。企業サイトでも広く使われており、このシステムに精通したウェブ制作者・デザイナーが多数いるため、外注先を探しやすい。取り扱いに関する解説書も豊富なので、研究者自らが日々の更新を行う際の参考情報を得やすい。 |
大阪大学 経営企画オフィス(URA 部門)が支援するWEBサイト <事例>
● 研究者がWEB制作会社に外注し、統括チームがディレクションを担当して作った例 |
※MT や WordPress を使ったWEBサイト構築や、外注業者の紹介を希望される研究者の方は、大阪大学21世紀懐徳堂アウトリーチ担当(TEL.06-6850-5339 office★21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp ★を@に変えてください。)までご相談ください。
公的研究費に対する一番手軽なアウトリーチ活動は、WEBサイトでシンプルかつミニマムに情報公開すること。
サイエンスカフェや小中高校生向け授業など、市民の方や子ども達と対面して研究成果を伝える機会は、大いに研究者に刺激を与えてくれますが、準備などに少なからず時間や手間をとられるのが悩みのタネ。その点、研究プロジェクトやその成果について最低限の情報を公開するWEBサイトは、一番手軽で効率的なアウトリーチ活動としておススメです。 WEB制作会社等に外注して本格的なサイトを作りたい場合は、研究者サイド(発注側)にWEB制作に精通したディレクション役がいて、作業内容を理解した上で要所の指示(ディレクション)や、外注先と研究者のやりとりを“翻訳”しながら進行管理できると、サイト構築が円滑に進むでしょう。そうしたディレクション役がいない場合、自分の思い描くイメージに近い既存サイトを探したり、サイトを持っている他の研究者等に相談してみることも、希望するサイトの実現に役立ちます。 |
サイトを見てもらうには、コンテンツの充実度より、まずは「検索」にヒットすることが重要。組織のサイト等、できるだけ多くの“インデックス”に登録を。
人々が知りたい情報を探す時に最も一般的な方法は、おそらくWEB上での検索でしょう。ということは、コンテンツに工夫を凝らす作業と並行して、この情報は、 誰がどのように検索を行った結果見いだされ、到達されるのか という点を想像する必要があるのです。導線(自分の発信する情報に対する経路)に関するねらいや仮説を持っていれば、後から方針を変える事も可能です。(誰がどのようにアクセスしているのかは、Google Analyticsなど、完全ではありませんが、いくつかの手段で判断材料を得られます。) 研究室サイトやプロジェクトサイトだけでなく、大学の研究者総覧、学術情報のデータベースといったインデックス機能を持つサイトに自分の情報を登録すると、より検索にヒットしやすくなる、つまり、多くの人に自分の情報を見つけてもらいやすくなります。ウェブサイトを作ったら、積極的にアナウンスを行って、情報を収集しているサイトから見えやすい位置に立つことが重要なのです。 |
研究者にもセルフブランディングが求められる時代。「研究者としての自分」や「自分の研究」に興味を持ってくれた人に、WEB上の情報トータルでどう見られたいかよく考える。
インデックス機能を持つサイトに登録するなど、“自分が、検索の結果見いだされやすい状態”になるための作業を行う前に、「自分で自分を検索してみる」ことが、特に重要です。実際にWEBの上で自分を検索してみると、検索者の前に示されるのは、「自分自身が発信した自分の情報」だけではないことが分かります。 こうした、「検索の結果提示されるリストの総和」で自分が判断されてしまうならば、コントロール出来る部分には手を打って行きましょうという考え方があります。たとえば、(自分として納得できない)雑情報が多いなら、自分自身でウェブサイトを構え、コンスタントに情報を発信して、量でノイズを圧倒するという考え方に立つのです。 量という面で言うと、Twitterは、検索に乗りやすい面があります。また、Facebookは、著名な研究者も利用しています。これらは「研究者としての自分」や「私生活を含めた一個人としての自分」など、どのようなアイデンティティに立って言葉を発していくかの判断の難しさがあります。その一方、<本人の存在>を感じさせる手段として、ホームページ時代のいわゆる「情報発信」とは全く異なる、「コミュニケーション」の手段として広く普及しつつあります。 ホームページ、ブログ、ソーシャルネットワークといったネット上のツールを組み合わせて活用しながら、<検索された時の自分の見え方>を自分の希望に近づけることが、今後のインターネット利用には、特に重要な視点だと考えています。 |
(取材:大阪大学21世紀懐徳堂)