SQALF [まちづくり・都市計画]Q&A
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このページではSQALFに寄せられた質問のうち、 「まちづくり・都市計画」 関連について、回答と併せて紹介します。 |
Q
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横波の伝波を抑制するために都市計画上、市街地に大規模な湖沼を配置することは有効なのでしょうか?(第43回大阪大学21世紀懐徳堂講座A-2アンケートより) |
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A
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(工学研究科 教授 宮本裕司) 地震での建物の揺れを抑える方法として、建物へ入力する前に地震動を何らかの考えで遮断できれば大変有効です。ただ、建物に被害を生じさせる地震波のS波(横波)成分は、震源から深い地盤内を伝播して建物へ入力する時には、ほぼ建物の真下からの入射となります。したがって、市街地や建物の周辺に遮断エリアを設けても、ほとんど効果が期待できません。建物の直下地盤に地震動を減衰させるような地盤材料を開発すれば建物の揺れを低減することはできますが、まだまだ開発途上です。なお、トラック等の交通振動を抑制する方法として、ご質問のような考えで対策を考えることが可能な場合もあります。 |
Q
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今回の震災による大津波で壊滅的な被害を受けた地域について、道路網やインフラなどを含めた全体的な都市の作り直しの可能性はあるのでしょうか。
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A
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(工学研究科 教授 加賀有津子) 壊滅的打撃をうけた地域については、国道ルートを高台方面に変えたり、駅の位置を変更するといった議論が出ています。そうするとこれまで地域で蓄積してきた都市計画の考えにたった都市のイメージや都市構造を変えざるを得ないと思います。計画系の学会などでは、脆弱な土地を避ける「賢い空間配置論」の提案なども考えられています。 その際、魅力的なイメージを構想しつつ現実的に問題を解決していくのか、地域住民と協働で計画を進められる仕組みが不可欠です。地域が主体となって産業や空間を生活と一体となって総合的に復興をすすめることが必要になると考えます。 |