SQALF [地震]Q&A
![]() |
このページではSQALFに寄せられた質問のうち、 「地震」 関連について、回答と併せて紹介します。 |
Q
|
先日、三陸地域等において、地質調査による津波来襲域の調査についての報道がありましたが、大阪湾岸域における調査についての有効性はあるのでしょうか。(第43回大阪大学21世紀懐徳堂講座A-1アンケートより) |
A
|
(理学研究科 准教授 廣野哲朗) 大阪湾にかつて押し寄せた南海地震による津波についても、その痕跡を調べる調査が進められつつあります。また、東海-東南海-南海地震が連動した際の津波発生のシミュレーションも行われつつあります。これらの調査・解析によって、次の南海地震での津波発生の規模の予測の精度が飛躍的に高まることが期待されます。 |
Q
|
南海地震予知の研究は、今回の東日本大震災経験をふまえどれくらい前進したのでしょうか。(第43回大阪大学21世紀懐徳堂講座A-1アンケートより) |
A
|
(理学研究科 准教授 廣野哲朗) 日本海溝での地震と南海トラフでの地震では、沈み込む海洋プレートの年代(温度)、角度などが異なるので、一概には直接、比較、応用は難しいかと思われます。 しかし、現在進行中の海底下物理探査や震源域の深部ボーリングなどの調査を通して、南海トラフで発生する地震発生時の断層の挙動などについて、新しい情報が得られることが期待されます。 |
Q |
余震はいつ頃まで続くのでしょうか? (20代 女性) |
A |
本震に伴う余震活動は、残念ながら判断できない状況です。 |
(理学研究科 准教授 廣野哲朗)
3/11の本震に伴う余震活動は、気象庁のホームページ( http://www.jma.go.jp/jma/menu/jishin-portal_yoshin.html )で解説されてますように、徐々に少なくなってきています。 但し、海溝型地震の類似例として、2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震では、同じ海溝沿いでマグニチュード8を超える地震が連動しました。(東京大学地震研究所のホームページ( http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/inducedeq/ )に詳細が解説されています)。日本でも、1944年の東南海地震の2年後に南海地震が発生したことは有名です。 今回の3/11の東日本太平洋沖地震では、その震源域の外側(三陸沖から房総沖の海溝寄り)にて、マグニチュード8.6-9.0前後の巨大地震が連動して発生する可能性が、文部科学省の地震調査委員会(地震調査研究推進本部)によって指摘されています。 また、3/11の地震によって東北日本が東西に伸ばされたため、正断層型の内陸地震が誘発しております。 以上、本震に伴う余震活動は収束しつつありますが、三陸沖から房総沖の海溝寄りでの連動型地震と内陸での誘発地震がいつ発生するのか、いつまで続くのかについては、残念ながら判断できない状況です。 |