ハンダイ映像祭 公式HP 参考情報
1: 期待される作品とは?
2: 著作権等Q and A
3: O+PUS(オーパス)のコンテンツに関するガイドライン
期待される作品とは?
1)テーマ(一般の部のみ)について
作品の制作にあたって、必ずしもテーマにこだわる必要はありません。しかし、テーマに触発された優れた作品は大いに関係いたします。
ハンダイ映像祭2013の統一テーマ―「 君の手でつくる」
テーマのコンセプト:応募作品の映像はすべて、みなさんの「手作り」です。そして何より、この映像祭もまた大阪大学と地域のみなさんの手作りのイベントです。みなさんの手のぬくもりを感じさせるような作品をお待ちしています。「手作り」をストーリーに組み込むのもおもしろいかもしれませんね(手作りケーキ、手作りディナー、手作りおもちゃ、手作りロボット、手作り秘密基地……)。
2)CMの部について
このCMは使用用途を特に限定していませんが、大阪大学の魅力を広くアピールする作品が望まれます。参考として、例えばオープン・キャンパスで流したとき、受験生が大阪大学に入りたくなるような映像をイメージしてみてください。
3)映像表現のスタイルについて
映像には様々な表現手法があります。例えば、ビデオカメラによって私たちの世界を記録し、編集し、記述するようなものもあれば、アニメーションによって、架空の世界を描くことも可能です。自分の家族を淡々と追ったドキュメンタリーもあれば、粘土を使ったコマ撮りアニメ、渋い配役の効いた劇映画、あるいは、アンディーウォーホルの作品のように、エンパイアステートビルを何時間も定点撮影した前衛的な作品など、様々です。今回の作品募集では、それら映像表現のスタイル、ジャンルなどについては自由とします。既存のマスメディアを単に模倣するものではなく、アイディア、メッセージが詰まったユニークな映像作品を皆さんの好きなように、思うがままに制作してください。ただし、どの作品も制作者がしっかりと思考したものであって欲しいと考えています。
著作権等Q and A
執筆者:有馬徹(元法学研究科博士前期課程)
監修者:村上画里(知財センター特任准教授)、勝久晴夫(知財センター特任助教)
Q1:著作権とはどのような権利ですか。
A:一般に言う「著作権」とは2つに大別されます。1つは著作者の人格的利益を保護する著作者人格権、もう1つは著作物に関する財産的な利益についての権利を定めた「著作財産権」(複製権、上映権、公衆送信権など)です。
映画の場合、その著作者は映画監督とされることが一般的です。しかし、映画に関する著作権は映画製作者に帰属することになります。
著作者人格権は著作者に一身専属の権利ですので、他人に譲渡することはできません。しかし、著作財産権の方はそれぞれ独立して取引の対象となることができます。
Q2:今回作った映画の著作権はどうなりますか。
A:今回制作された作品の著作権については、原則通り著作者である応募者に帰属します。また、大阪大学のイベントで上映したり、ネット配信を行ったりする都合上、複製権、上映権、公衆送信権等については大阪大学に利用を許諾していただくことになります。
Q3:映画の原作に、万城目学の短編小説『ホルモー六景』を使いたいのですが、かまいませんか。
A:小説を原作品として映画化する行為は、翻案に当たる行為です。従って、原作品の著作者である万城目学氏の許諾を得ずに、勝手に小説を映画化してしまうことは、翻案権の侵害行為となります。
Q4: 映画のバック・ミュージックにperfumeの「ワンルームディスコ」を使いたいのですが、かまいませんか。
A:BGMとして楽曲を映画の中に取り入れる行為は、当該音楽の複製に当たり、また、その映画を上映することは、上映に当たります。従って、これらの行為を著作権者に無断で行うことは、著作権を侵害する行為になります。
Q5:映画のバック・ミュージックに、バッハのゴールドベルク変奏曲のCDを使いたいと思います。かまいませんか。
A:著作権は、著作物の創作時に発生し、その権利の効力は著作者の死後50年まで存続し続けます。従って、今から260年前に既に亡くなっているバッハの著作権が当該CDに及ぶことはありません。
しかし、この場合はCDに録音された曲を実際に演奏している実演家及びCDを制作したレコード会社の権利(著作隣接権)に配慮する必要があります。CDに録音された音楽を勝手に映画の中で使用し、公開する行為は、実演家の録音権、レコード製作者の複製権を侵害する行為に当たります。また、実演家には人格権として氏名表示権、同一性保持権も認められていますので、利用の際にはこれらの権利にも配慮する必要があります。
なお、上記Q3のPerfumeの事例の場合においても、Q4の場合と同様に実演家であるPerfumeの権利に配慮する必要があり、更に音源がCDの場合にはレコード会社の権利に配慮する必要があります。
Q6:上記Q3、Q4の場合で、音楽の著作物を利用するには、具体的にどのような手続きを踏めばいいでしょうか。
A:著作権に関しては、日本音楽著作権協会(JASRAC)が権利の集中管理を行っており、JASRACに著作物の利用申請を行えば、利用許諾を得ることができます。しかし、著作隣接権についてはJASRACの様に多数の権利を集中管理する団体が存在しないので,著作隣接権についてはレコード会社及び実演家の所属事務所に利用手続の詳細を問い合わせる必要があるでしょう。
従って、音楽の著作物の利用の手順といたしましては、まず該当するレコード会社及び実演家の所属事務所に問い合わせ、著作隣接権に関する利用許諾を得た後に、JASRACへ著作物の利用申請を行うのが良いでしょう。その他手続きに関する詳細は、各レコード会社、所属事務所及びJASRACへ直接お尋ねください。
Q7:商店街の映像を取ったら、商店街で流れていた音楽が録音されてしまいましたが、著作権上問題ありませんか。
A:商店街で流れている音楽が、たまたま録音されてしまった場合にも、当該行為は、形式的には著作権法上の複製権及び上映権侵害に当たる行為と言えます。
一応、過去の裁判例(東京高裁平成14年2月18日判決)に、著作物の「複製」とは「著作物を、その美的要素を一般人が直接感得できる程度に再現すること」であると定義した例があり、この基準に従うと、映像に流れ込んだ音楽が周囲の雑音に紛れて何の曲なのか判別できないような場合には、著作権侵害とはならないと考える余地もあります。しかし、これは確定された考え方ではなく、当該行為が必ず適法であるとの保証はできないので、この問いのような映像の使用は、可能な限り避けるのが無難だと思われます。
Q8:商店街のシーンを取ったとき、買い物のお客さんが映り混んでしまいました。映った方に許諾を求める必要がありますか。
A:民法上、人は自分の肖像をみだりに他人から使用されない権利(一般に「肖像権」と呼ばれています。)を持っており、これを違法に侵害すると不法行為となります。よって、みだりに街中で特定人を追い回してその容貌を撮影することは肖像権の侵害となるでしょう。しかし、単に人が背景として映り込んでしまった程度ならば、その方に許諾を求める必要はないと思われます。
Q9:映画の一部に、「メトロポリス」(フリッツ・ラング)の1カットを利用したいのですが、かまいませんか。
A:映画の著作物の保護期間は、その著作物の公表後70年後までです。フリッツ・ラング氏の映画「メトロポリス」は、今から83年前に公開されたものなので、この映画の著作権は既に消滅しています。よって、この映画「メトロポリス」については、許諾を得ることなく映画の中で利用できます。
O+PUS(オーパス)のコンテンツに関するガイドライン
(趣旨)
1 大阪大学(以下「本学」という。)の教職員、学生のコミュニケーションの活性化とイメージ・リテラシー教育に資するため設置したO+PUS(以下「オーパス」という。)で放映するコンテンツに関しては、「大阪大学知的財産ポリシー」に定めるもののほか、このガイドラインの定めるところによる。
(制作上の基本方針)
2 コンテンツの制作に当たっては、人種、国籍、宗教、性別、障害の別なく、個人の自由と人権を尊重し、法令を遵守するとともに、オーパスの目的に沿ったものとするよう努めるものとする。
3 コンテンツは、原則として、各キャンパスに設置されている全てのオーパスのディスプレイで放映できる内容とする。
(禁止事項)
4 コンテンツには次の各号に掲げるものがあってはならない。
① 特定の個人、集団及び限られた一部の者だけに利益があるもの。
② 犯罪を助長するもの、政治的意図を持つもの及び公序良俗に反するもの。
③ 著作権、特許権等の知的財産権を侵害するもの。
④ 本学の教育・研究その他大学運営に支障が生じるもの。
⑤ その他法令に反するもの及び本学の教育研究環境に相応しくないもの。
(コンテンツ放映の申請手続き)
5 教職員、学生が、制作したコンテンツをオーパスにおいて放映を希望する場合にあっては、所定の様式により広報・社学連携担当理事へ申請するものとする。ただし、学生にあっては、原則として、指導教員又はクラス担任(学生団体にあっては学生部)を通じて広報・社学連携担当理事へ申請するものとする。
(審査及び放映の承認手続き)
6 制作されたコンテンツは、広報・社学連携担当理事の下に置かれたオーパス部会において審査の上、広報・社学連携担当理事が放映承認の可否を決定し、申請者に通知するものとする。
(放映承認されたコンテンツの権利行使の許諾)
7 放映が承認されたコンテンツの著作権はコンテンツ制作者が保持するが、複製権、上映権、公衆送信権、翻訳権、翻案権等については申請時点で大阪大学が行使することを許諾したものとする。
(その他)
8 このガイドラインに定めるもののほか、オーパスで放映するコンテンツに関し必要な事項は、広報・社学連携担当理事が別に定める。
附 則
このガイドラインは、平成22年 7月 1日から施行する。