[スタッフレポート]芸術する学問シリーズ「ベーゼンドルファー1920演奏とお話」を開催しました!
芸術する学問シリーズ[第43回大阪大学21世紀懐徳堂講座 大阪大学創立80周年記念スペシャル]の一環として、11月4日(金)に「ベーゼンドルファー1920 演奏とお話」を開講しました。スタッフの体験レポートで、当日の様子をご紹介します。
本年は大阪大学創立80周年を記念し、秋季の通常講座に加え、スペシャル講座を開講しました
。「
芸術する学問
」シリーズと題し、学問と演劇、音楽、落語を融合させたレクチャー&パフォーマンスというスタイルで3講座を開講、受講生とともに文化力の醸成をはかる試みです。
11月4日(金)は「ベーゼンドルファー1920 演奏とお話」を開催、
講師には文学研究科 伊東信宏先生、ピアニストに小坂圭太先生を迎えました。
第一部では、まずはじめに伊東先生から、今回の講座で使用するピアノ「ベーゼンドルファー1920」と最新ピアノとの違いやベーゼンドルファー社について
解説。
大阪大学会館のアールデコ建築様式に時代を合わせてこのピアノを入れることになったエピソードなども聞きました。
そして小坂先生の演奏でベーゼンドルファー1920の音色を披露。
曲目は、このピアノの音色にふさわしいとされたフランツ・シューベルト:ピアノソナタニ長調(Op.53,D.850)。ピアノが作られた
1920年当時の大帝国の首都ウィーンの背景を含んだ作品とのことで、選曲されました。
第二部での伊東先生と小坂先生の対談は、バイオリン演奏とピアノ演奏の違いや、ベーゼンドルファー1920の音域・雑音性・鍵盤の広さ・音色・ペダルなど、現在のピアノと昔のピアノとの違いに関する実演も入れてのお話でした。
第二部の演奏を聞く前に、伊東先生から、このピアノが作られた時代とおなじ1920~30年代のウィーンについての解説がありました。
最後に演奏された曲目は、ベーラ・バルトーク:≪ミクロコスモス≫BB105より第144番「短2度と長7度」および第143番「交替する分散和音」、ジョルジェ・エネスク:ピアノ・ソナタ第3番ニ長調。
第一次大戦までのウィーンの状況は、多くの民族・文化を抱えた大帝国で、ゲルマン・スラブ・オリエントなど多文化の交差点であったとのこと。その街で作られた楽器の音にはざわめきが備わっており、バルトーク、エネスクの音楽にはそういった雑音性が含まれているそうです。同じ時代のピアノで演奏することで、当時の音色が表現されていました。
当日は約230名の受講生にご参加いただきました。
多数のご来場ありがとうございました!
(21世紀懐徳堂スタッフ 中西)