ひとり芝居『在日バイタルチェック』

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ひとり芝居『在日バイタルチェック』

いま、世界の舞台芸術は、記録資料やオーラル・ヒストリー、文化遺産としての昔の作品、はたまた記憶の貯蔵庫としての身体を肥やしにして、歴史や社会についての知を耕すパフォーマンスをぞくぞくと生み出しています。その優れた試みとして、月数回というハイペースで再演を重ねる劇団石(トル)の『在日バイタルチェック』を9月9日に大阪大学21世紀懐徳堂で上演し、アートエリアB1では、その手法や世界観にインスパイアされたワークショップとトークの場を9月10日と10月8日の2回にわたって設けます。

カテゴリ 文化・芸術
日時 2016年9月9日(金) 19時00分から20時40分まで
会場 大阪大学21世紀懐徳堂 1Fスタジオ
主催 大阪大学学術総合博物館
後援等 共催:大阪大学文学研究科、 助成:平成28年度文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」、 協力・連携:「大阪大学21世紀懐徳堂」他
申し込み窓口 「記憶の劇場」活動⑦ドキュメンテーション/アーカイヴ
http://documentaction.blog.fc2.com
問い合わせ先 「記憶の劇場」活動⑦ドキュメンテーション/アーカイヴ
http://documentaction.blog.fc2.com

私達の心の中には、
あの強烈なハルモ二の姿が永遠に生きている。


舞台は在日コリアン1世が通うデイサービスセンター「ミンドゥルレ(たんぽぽ)」。1世のハルモ二と2・3世のスタッフ達の愉快な毎日に、壮絶な歴史をたくましく生き抜いてきた1世達の思いと「今」に悩む2・3世の思いが笑いと涙の中で交差する。「在日朝鮮人」と呼ばれる人達がなぜ日本にいて、そこにはどんな暮らしがあるのかー。

バイタル(医)=「いきている証」正気に満ちたさま。脈拍・心拍数・呼吸・血圧・体温・・・・鼓動!を意味する。

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劇団石(トル)代表 きむきがん

アンニョンハセヨ!ひとり芝居「在日バイタルチェック」にご関心を寄せて下さる皆様に感謝致します。劇団石(トル)は朝鮮語で石という意味です。これは、私達の暮らしにある様々な矛盾や差別にお芝居でもって一石投じたいとか、自分のルーツである済州島にとても石が多いということとか、また石が、最初ごつごつしていてもその流れの中でだんだん丸みをおびてくるように、私達人間も様々な出会いの中でごつごつとぶつかり合いながらもそのうち丸くつながっていけたらいいなとか、自分は石がちょっと好きとか、いろんな想いを込めて名づけました。

劇団が基調とする朝鮮半島に伝わるマダン劇は、民衆が生きていくために欠かせない芸能の一つで、村の中心に備えられたマダン(広場)に芝居を作り、見る者も演じる者もすべての村人達がその生活の喜びも苦労も分かち合ってきたものです。私達はその理念を大切に「民衆による民衆のための生きる糧になる芸術」を目指し活動を続けています。

ひとり芝居「在日バイタルチェック」は2013年10月の初演から旅を重ね、各地域でたくさんの出会いによりどんどん深まり続けています。
今回もまた、少しの間皆様と共に、今日の出会いのマダンを深めることが出来ればいいなと思います。

舞台に上がるのは私一人ですが、その向こうにはたくさんの人の想いと歴史がつまっています。私達在日の心の中には、みなそれぞれにあの強烈な1世のハルモ二(おばあちゃん)の姿が生きています。時代に翻弄されながらも生き抜いてきた我々在日同胞の恨(ハン)がそこに凝縮しているといっても過言ではありません。

この作品は、私の体を通して、先人達のその生き様がどうか歴史に埋もれてしまわないように、みんなの心に残ってほしい、そして次に繋げたい、そんな作品です。
ご覧になられる皆様がその何かを感じ、一緒に手をつないでくだされば何よりです。
人が人として生きる儚さを抱いてそれでも豊かに人とつながるために、私はお芝居を通して平和の粒になりたい。また新たな出会いに感謝を込めて、熱く確かに一生懸命舞台で遊ぼうと思います。

きむ きがん(劇団石)
2004年設立。滋賀県彦根市に拠点を置き、一人芝居・演劇ワークショップなど全国各地で活動中。パワフルな笑いの中に、常に社会的弱者に目を向けた作品を上演している。代表作にすべての生き物の尊厳を描いた「カンアジトン(こいぬのうんち)」、野宿労働者をテーマにした「民衆劇釜ヶ崎~おっちゃん達の人間宣言~」部落差別の歴史と現状を描いた「人の値打ち~たまちゃんとはるちゃん~」などがある。


ひとり芝居『在日バイタルチェック』公演

日時:9月9日(金)19:00 -
会場:大阪大学21世紀懐徳堂スタジオ アクセスマップ
作・演出・出演:きむ きがん
スタッフ:こん きじゃ、ファン ユヂャ
協力:嘘みたいな本当の在日話劇団石(トル)サポーターズ

料金:無料(要予約)
☞お申し込みはwebから http://documentaction.blog.fc2.com

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