「環境月間」講演会

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「環境月間」講演会

シクロデキストリン(CD)はデンプンに酵素を作用させて得られるドーナツ型のオリゴ糖であり、分子を取り込めるサブナノメートルサイズの空孔(穴)を持っている。この分子を取り込む性質(‘包接能’と呼ばれる)は、食品、化粧品、医薬品分野で広く利用されてきた。また、CDは水中の有害物質を除去する材料として環境分野でも注目されている。しかし、これまでのCDによる分子の包接のほとんどは水の中で行われており、非極性溶媒やオイルの中での包接は困難と考えられ、実現されていなかった。我々は最近、オイル中の有害物質を効果的に包接除去できるCD誘導体の開発に成功した。本講演では、我々が見出した、非極性溶媒中でのCD誘導体の包接能について説明した後、CD誘導体を用いての汚染オイル中からのポリ塩化ビフェニル(PCB)の除去について述べる。

カテゴリ 科学・技術
日時 2016年6月7日(火) 13時00分から14時30分まで
会場 工学部U3-211 教室
主催 環境安全研究管理センター
問い合わせ先 環境安全研究管理センター

http://www.epc.osaka-u.ac.jp/pdf/Prof.%20KIDA2016.pdf

【講演題目】

「ドーナツ型オリゴ糖を用いて有害物質を除去する」

【講演者】

木田敏之 先生

【勤務先・役職名】

大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻 教授

【講演内容】

シクロデキストリン(CD)はデンプンに酵素を作用させて得られるドーナツ型のオリゴ糖であり、分子を取り込めるサブナノメートルサイズの空孔(穴)を持っている。この分子を取り込む性質(‘包接能’と呼ばれる)は、食品、化粧品、医薬品分野で広く利用されてきた。また、CDは水中の有害物質を除去する材料として環境分野でも注目されている。しかし、これまでのCDによる分子の包接のほとんどは水の中で行われており、非極性溶媒やオイルの中での包接は困難と考えられ、実現されていなかった。我々は最近、オイル中の有害物質を効果的に包接除去できるCD誘導体の開発に成功した。本講演では、我々が見出した、非極性溶媒中でのCD誘導体の包接能について説明した後、CD誘導体を用いての汚染オイル中からのポリ塩化ビフェニル(PCB)の除去について述べる。

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