大阪大学中之島サイエンスカフェ「物質が隠し持った機能の引き出しを開けるには」

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大阪大学中之島サイエンスカフェ「物質が隠し持った機能の引き出しを開けるには」

福井賢一さんが研究している電池も、関修平さんが研究している磁石や半導体も、私たちの身近で働く物質です。これらの物質に眠っている私たちの知らない機 能を引き出すための研究に取り組む福井さん・関さんをゲストに迎え、それぞれの研究内容や今後の展望について、また、次代の物質科学を担う若手育成の最新事情についてなど、多彩な話題で語り合います。サイエンスに興味のある方、仕事に新しい刺激を必要としている方、これから何を学べばよいのか探しているすべての方に向けた企画です。ぜひご参加ください。

カテゴリ 科学・技術
日時 2013年3月10日(日) 13時30分から15時30分まで
会場 大阪大学中之島センター(大阪市北区中之島4-3-53)
定員 約40名
主催 大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室
後援等 協力:大阪大学21世紀懐徳堂
問い合わせ先 大阪大学研究推進部 大型教育研究プロジェクト支援事務室

http://www.lserp.osaka-u.ac.jp/info/20130130.html

福井賢一さんの話「エネルギーを創り出す界面の機能に迫る。」
電池の内部では、電極と電解質溶液が接しています。このような、2つの物質が接する面を界面と言います。乾電池のプラスとマイナスをつなぐと、内部の界面 で電子の移動が起こってエネルギーを取り出せるし、逆に蓄電池に電力を蓄えることができます。こうした説明は簡略化されて中学校の理科の教科書にも載っていますが、実はその仕組みは十分に理解できておらず,界面にある物質の機能を引き出しきれていないと考えられています。福井さんは「最先端・次世代研究開 発支援プログラム」によって、世界で唯一の特殊な顕微鏡を開発して、エネルギーを創り出す界面の機能を明らかにしようと、研究に取り組んでいます。研究の成果は、リチウムイオン電池や太陽電池、光触媒などの応用技術をさらに発展させると期待されています。また、福井さんは、ご自身がそうであるように、こう した物質科学と呼ばれるサイエンスを探求する挑戦的な若手研究者を育てる大学院教育にも関わっています。研究と教育、2つのテーマで福井さんの話を伺いま す。

関修平さんの話「触らないで 電気の流れやすさを測れるでしょうか?」
電気を流すプラスチックの話は聞いたことがある方も多いかもしれません。我々の身の回りにはものすごい種類のプラスチックがあふれています。もう少し広い 「有機分子」という括りでは、例えば医薬品がそうであるように、金属や無機化合物に比べて桁違いにたくさんの種類の材料が日々開発されています。有機分子でできた半導体や電磁石の材料を探し出すのは、まさに砂浜の中の砂粒を探すようなもの、如何に素早く正確に、材料の本当の力を見出すかにかかっています。 関さんは「最先端・次世代研究開発支援プログラム」によって、レアメタルを使わずに電磁石や半導体を作り出せる材料を探し出す研究に取り組んでいます。環境技術のアキレス腱とも言えるレアメタルですが、代わりの物質は見つかるのでしょうか。また関さんは、大阪大学で新しいタイプの学部生教育にも取り組んで います。ご自身のように、最先端サイエンスの世界で、柔軟なアイディアと強いマインドを持って活躍できる若者をバックアップするために、どんな教育に取り 組んでいるのでしょう。研究と教育、2つのテーマで関さんの話を伺います。

●ゲスト:

福井 賢一(最先端・次世代研究開発支援プログラム採択者/大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授)

関 修平(最先端・次世代研究開発支援プログラム採択者/大阪大学 大学院工学研究科 教授)

●ファシリテーター:

岩崎琢哉(大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URA・特任研究員)

●日時:2013年3月10(日) 13:30~15:00 (開場は13:00)

●会場: 大阪大学中之島センター (大阪市北区中之島4-3-53)
(京阪電車中之島線「中之島駅」徒歩約5分、阪神本線「福島駅」徒歩約9分)

アクセスマップは こちら

●参加費:無料

●事前申込:不要

●チラシのダウンロードは こちら (PDF/1.22MB)

●今回のサイエンスカフェは、「最先端・次世代研究開発支援プログラム」で採択された下記研究課題のアウトリーチ活動として、実施するものです。

最先端・次世代研究開発支援プログラムとは、将来、世界の科学・技術をリードすることが期待される潜在的可能性を持った研究者に対する研究支援制度です。国の「新成長戦略(基本方針)」(2009 年12 月30日閣議決定)において掲げられた先端的研究開発を支援することにより、中長期的な国の科学・技術の発展を図り、国の持続的な成長と政策的・社会的課題の解決に貢献することが目的です。

採択者:福井 賢一
研究課題: 「エネルギー変換場としての界面電気二重層の分子論的描像の解明とその応用展開」

採択者:関 修平
研究課題: 「全有機分子サイリスタ・ソレノイドのデザインと実証」

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