大阪・京都文化講座(2012年度前期)「哲学・思想の宇宙をめぐる-大阪・京都の思索の系譜」

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大阪・京都文化講座(2012年度前期)「哲学・思想の宇宙をめぐる-大阪・京都の思索の系譜」

今ここに生きる意味を問うことが明日の私たちへと繋がって行く。― 大阪と京都にはそんな思索の地層が、歴史的に幾重にも重なっています。中国思想や西欧哲学を独自のまなざしで取り入れ、日本独自の知的風土や学びの様式に育て上げてきました。 今回の講座では独特の哲学を生み続ける哲学都市、大阪と京都の思索の来し方を改めて考え直してみます。それは混沌として先行きの不透明な現代から、明日の日本の姿を見出すことに繋がります。

カテゴリ 文化・芸術
日時 2012年5月8日(火)から2012年7月3日(火)
会場 立命館大阪キャンパス 演習室2+多目的室(大阪市北区小松原町2-4大阪富国生命ビル5階立命館大阪キャンパス内)
定員 各回98名(先着順)
主催 大阪大学21世紀懐徳堂・立命館大学文学部・立命館大阪オフィス
後援等 大阪府、大阪市教育委員会
申し込み期限 2012年7月3日(火)
問い合わせ先 立命館大阪オフィス

http://www.ritsumei.jp/life-09/e09_10kyo.html

【受講料】

1回2,000円 (全8回一括申込の場合14,000円)

【申込方法】

1.「受講申込書」に必要事項を記載の上、FAX・E-mail・郵送、いずれかの方法で下記お申込先までお送りください。

〒530-0018 大阪市北区小松原町2-4大阪富国生命ビル5階 立命館大阪キャンパス内

立命館大阪オフィス

TEL : 06-6360-4895 FAX : 06-6360-4894 E-mail: osaka-of@st.ritsumei.ac.jp

★受講申込書はこちらからダウンロードしてください。

http://www.ritsumei.jp/life-09/office/2012moushikomi.doc

2.受講申込受付後、「受付確認書」「郵便振込用紙」をご送付いたしますので、受講料を納付(郵便振込)願います。
※事務局窓口で現金払いすることはできません。
※振込手数料は申込者のご負担でお願いいたします。
※いったん納付いただいた受講料は返金いたしかねますのでご了承ください。

【講義スケジュール】

●第1回 2012年5月8日(火)14:00~15:40

「大阪の知的風土─「懐徳堂」─」

湯浅 邦弘氏(大阪大学大学院文学研究科 教授)

江戸時代の大坂には、哲学・思想研究の拠点として学問所「懐徳堂」がありました。そこでは、町人たちに『論語』『孟子』など中国の古典が講じられ、また、天文学・医学などの先鋭な研究も進められていました。大阪の知的基盤として懐徳堂に注目してみましょう。

●第2回 2012年5月22日(火)14:00~15:40

「京都の哲学者・西田幾多郎とギリシア哲学」

日下部 吉信氏(立命館大学文学部 特任教授)

西田の絶対無の哲学に対するギリシア哲学の影響を考察する。西田は京都の文化風土でもある禅仏教に深く影響された哲学者であった。また彼はギリシア哲学、中でもとりわけ神秘主義的色彩の強い新プラトン哲学の影響を深く受けている。講演では禅と絶対無の哲学と新プラトン派の一者の哲学が通底することを示す。

●第3回 2012年5月29日(火)14:00~15:40

「賭けの思考 九鬼周造の偶然論を巡って」

檜垣 立哉氏(大阪大学大学院人間科学研究科 教授)

『<いき>の構造』で有名な九鬼周造ではあるが、その思考の原点は『偶然性の問題』という、「現在」の「邂逅」をめぐる思考にある。それは「いま・ここ」という瞬間が、「賭ける」という、能動的でも受動的でもない、ある中間的な位相にあるということを証してくれる。この点を多角的に論じたい。

●第4回 2012年6月5日(火)14:00~15:40

「立命館と自然の哲学」

加國 尚志氏(立命館大学文学部 教授)

京都の哲学というと、京都大学・京都学派の思想が思い浮かびますが、立命館大学にも「自然の哲学」「身体の哲学」という思想の伝統があります。それは近代科学に対して、原初的な生きた自然を取り戻そうとする思想の試みです。立命館大学に所属した哲学者たちを紹介しながら、もう一つの京都の哲学潮流を考えます。

●第5回 2012年6月12日(火)14:00~15:40

「くらしの中の哲学――京都学派のサロンと散歩道」

中岡 成文氏(大阪大学大学院文学研究科 教授)

西田幾多郎をはじめとする哲学者たちは、どのような日常を送ったのか。思索にふけりながら散歩し(「哲学の道」)、互いに訪れあっては議論を戦わせ(西田宅の「訪問日」)、老境に入っては「暖炉の側」から人生を論じる。彼らの思想を日常生活に根ざしたものとして見ていきます。

●第6回 2012年6月19日(火)14:00~15:40

「西田幾多郎と「左派」の人たち」

服部 健二氏(立命館大学文学部 教授(2012.4~立命館大学名誉教授))

西田の下で学んだ、いわゆる京都学派左派の人たち(三木清、戸坂潤、梯明秀、舩山信一)との関わりを、特に報告者の恩師である梯・舩山を中心に講演する。

●第7回 2012年6月26日(火)14:00~15:40

「大坂学校の挑戦―半官半民の学問所―」

池田 光子氏((財)懐徳堂記念会 研究員)

大阪と学問。両者が密接な関係にあると考える方は少ないのではないでしょうか。しかし、江戸時代の大坂は多くの「知」が生まれた場所であり、しかも自由闊達なものでした。どのような「知」が生まれ確立されていったのか、大坂を代表する学問所懐徳堂を中心に、関連資料や周辺の学者をご紹介しつつお話します。

●第8回 2012年7月3日(火)14:00~15:40

「近世の学問都市 京都」

桂島 宣弘氏(立命館大学文学部 教授)

江戸・大坂と並んで三都の一つとして知られる京都は、長い間、学問の中心都市でもあった。朝廷・寺院や数多くの私塾などにおいて、仏教・儒教・神道などの学問が盛んに研鑽され、京都には全国から多数の修学生が集った。講演では、江戸時代を中心に、学問都市京都の様相を歴史的に考えていきたい。

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