CALLおよびe-Learningの教材、指導法、CALLシステムなどに関する研究および情報交換を行うことを目的としています。また、本研究会はサイバーメディアセンターと言語文化研究科の共催で、FDの一環として開催いたします。
CALLシステムやe-Learningに関心のある方であれば、どなたでもご参加いただけますので、大学院生の皆さんも、どうぞ奮ってご参加下さい。なお、事前の参加申込は必要ありません。
日程:7月26日(月) 13:00~15:00
場所 :CALL第2教室
●発表者1 :簡 珮鈴(言語文化研究科D1)●
「台湾におけるe-Learning授業の実際」
要旨:
台湾の大学では、e-Learning授業を促進するために、教師はTAなどに授業を録画してもらい、サーバーにアップロードしている。そして、LMS(学習管理システム)によって、授業に出られない学習者が補習、或いは、授業でうまく聞き取れなかった部分を複習できるようなWEBキャンパスを構築している。
まず最初に、台湾の成功大学、清華大学、交通大学の実例を紹介する。
次に、録画ソフトであるPowerCamを用いて、文法教材を簡単に作る方法を紹介する。台湾では、外国語の文法を教える授業で、教師は伝統的な黒板からPowerPointに移行して、授業内容を説明する傾向がある。授業のプリントとして、.pptファイルをWEBにて学習者に配る教師も少なくないが、もし、.pptファイルをプリントように提供するだけではなく、音声による説明やポイント表示などの付加価値(マルチメディア化)を付けることができれば、より良い文法教材になるのではないかと思われる。
●発表者2 :幸田美沙(サイバーメディアセンター),中島彰子(大手前大学)●
「初年次必修英語教育におけるe-Learning教材の活用」
要旨:
本報告では、前半に中島が「英語表現」における全学的な取組みを紹介し、後半に幸田が実際に行っている授業運営の例を示す。
大手前大学では初年次必修科目としてe-Learningを中核とした「英語表現」が設定されている。「英語表現」では、e-Learning教材を授業のみならず、課外自己学習でも使用しており、学習者の学習意欲の維持と向上を目指して様々な取り組みを行っている。学生は、「書き取り」学習の利点を活かすために開発・導入した「学習記録シート」を活用しながらe-Learning教材の学習を進める。また、大学が独自に開発した携帯電話対応型LMSを通じて、毎回の学習活動で気づいたことや学んだことを記録している。これにより、学生は自らの学習活動及び学習到達度を客観的に評価することができ、教員はその記録をもとに学生の取り組みを常に把握し、適切なアドバイスをすることで継続的な学習を学生に促している。
科目コーディネーターが作成する統一カリキュラムと課題を始め、毎回の授業前後に担当教員全員とのミニFDによる教員支援体制や、自習室におけるチューター指導などの学習者支援体制を構築しているのが大手前大学・初年次必修科目における特徴であるが、担当教員は個々の学生の状況を踏まえた上で授業を運営していくため、毎回創意工夫が必要である。
e-Learningを中核とした初年次必修英語教育における教員の役割及び英語運用能力の育成を促す指導について、研究会の皆様と一緒に考察していきたい。