総合学術博物館 第12回企画展 “線”の表現力 ─アートの諸形態、須田国太郎《能・狂言デッサン》から広がって─

  • place 豊中キャンパス
  • 文化・芸術
総合学術博物館 第12回企画展 “線”の表現力  ─アートの諸形態、須田国太郎《能・狂言デッサン》から広がって─

原始の岩窟壁画の時代から、人類は“線”を刻みつけることでコミュニケーションをしてきました。 組みあわされた複数の“線”は、言葉を伝える文字となる一方、世界を写しとり、それを表現する絵画へと発展します。 中国や日本では、絵画の基本的な要素である「画之六法」の二番目に「骨法用筆」があげられるなど、“線”の存在が重視されます。また、西洋の絵画でも“線”の存在がいかに重要であるかは言うまでもありません。さらに“線”による表現は、現代アートの世界でも多種多様な試みがなされてきています。 この展覧会では、大阪大学附属図書館に寄贈された、近代を代表する洋画家・須田国太郎(1891-1961)の《能・狂言デッサン》を中心に、藤田嗣治、村上華岳、松本竣介、吉原治良、松谷武判、三上誠、佐藤忠良、中村貞夫、濱田弘明ほか、日本近代から現代までの画家・美術家による多様な“線”による表現をごらんいただきます。モノの形象を画面に再現する写実的な“線”、それ自体の美しさを主張する“線”、日本画と洋画の“線”の違いなどを紹介しながら、須田国太郎が終生、熱中した能や狂言の舞台スケッチを公開し、写実的でありながらも、演者の動きとともに “線”が加速し、運動を追跡する素描へと変容していくことを示します。最後に、モノの再現を解き放たれ、運動体と化した“線”が、抽象絵画もふくめた新しいアートの表現へと進んでいくことを示します。

カテゴリ 文化・芸術
日時 2010年10月27日(水)から2011年1月8日(土)
会場 大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
主催 大阪大学総合学術博物館・大阪大学附属図書館 共催:大阪大学大学院文学研究科 特別協力:芦屋市立美術博物館 協力:大阪大学21世紀懐徳堂
問い合わせ先 大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館

■開催日時

2010年10月27日(水)~2011年1月8日(土)(日祝、12月29日(水)~1月3日(月)は休館:ただし11月7日(日)は開館)10:30~17:00

■入場無料

■企画展関連行事

●ワークショップ  11月6日(土)13:30~15:00

中村貞夫(画家・宝塚大学講師)「描線を楽しもう―1本の線で描く―」

※ピカソが得意にした一筆描きの素描をみんなで楽しみましょう。あなたの描いた“線”が会期中、1階ロビーのインスタレーションを飾ります。画用紙、鉛筆は当館で用意しますが、その他、スケッチブック、筆、ペンなど、ご持参歓迎です。定員40名(先着順)。

●ミュージアムレクチャー

※すべて3階セミナー室にて開催。いずれも聴講自由、30分前より受付開始。定員60名。

・11月7日(日)13:30~15:00

【第28回】 中村貞夫(画家・宝塚大学講師)

「線描の軌跡」

・11月27日(土)13:30~15:00

【第29回】上野正章(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター共同研究員)

「愚直な音楽―ジョンケージによる図形楽譜の試み―」

・12月4日(土)13:30~15:00/15:15~16:30

【第30回】天野文雄(大阪大学名誉教授)

「能と絵の出会い―須田国太郎 能・狂言デッサン再考―」

【第31回】須田寛(JR東海相談役)

「「能」と父・須田国太郎」 ※講演後、天野・須田両氏による対談あり。

・12月11日(土)13:30~15:00

【第32回】加藤瑞穂(芦屋市立美術博物館主任学芸員)

「行為の痕跡:1950年代「具体」作品の線」

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