[イベントレポート]2016年度後期大阪京都文化講座、開講中です!
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10月17日(月)に開催された、2016年度後期大阪・京都文化講座(第1回)の報告レポートです。立命館大阪梅田キャンパスで開催され、116人が受講しました。
大阪・京都文化講座は、大阪大学21世紀懐徳堂が、大阪大学大学院文学研究科・立命館大学文学部と共催で実施する公開講座です。歴史や文化に関して共通テーマを設定し、大阪と京都それぞれについての講座を複数回実施します。
2016年度後期は、「昭和の風俗・風物・風景—忘れられた昭和史—」というテーマで開講しています。第1回は、大阪大学大学院文学研究科の斎藤理生准教授が出講し「作家が捉えた京阪の<闇市>」と題してお話しました。
「闇市」ということばの定義から講義は始まり、続いて敗戦直後の文学に、闇市がどのように登場し、表現されたのかということについて紹介がありました。騒音に満ち、怪しげで、欲望の交差する世界という一面を持っていた闇市を、作家がどのような技巧によって表現したのか、実際に作品の抜粋を読みながら学びました。
講座の後半では、特に大阪の闇市に対象を絞り、当時の新聞や小説・エッセイを紐解きながらその様相を探っていきました。また、同じ関西にありながら、空襲で都市の大部分が焼けてしまった大阪と、空襲の被害が少なかった京都では闇市の成立にどのような違いがあったのか、また「焼けなかった京都」の小説の中での描かれ方にはどんな特徴があったのか、ということについてお話がありました。
司馬遼太郎をはじめ、太宰治、井上靖、織田作之助、山崎豊子など、作家が描く闇市の様子や、新聞記事、一般投書欄への寄稿といった名もなき人の声まで、様々な角度から当時の闇市の様子を検証し、その表現方法についてまで考察するボリューム満点の第1回講座となりました。
参加した人からは、「親世代から漠然と聞いていた闇市のことが良く理解できた」「豊富な資料の紹介が興味深かった」「また小説を読んでみたくなった」などの声が寄せられました。
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2016年度後期大阪・京都文化講座は、まだまだ受講者を募集中です。
詳しくはこちらをご覧ください。→ 大阪京都文化講座
(文責:21世紀懐徳堂 肥後)