[イベントレポート]Handai-Asahi中之島塾「うっかりミスはなぜ起きる?〜安全と失敗の心理学」
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2015年11月7日(土)に開催された「うっかりミスはなぜ起きる?〜安全と失敗の心理学」の開講レポートです。
2015年11月7日(土)、中之島センターにて「うっかりミスはなぜ起きる?〜失敗と安全の心理学」を開講しました。講師は大阪大学人間科学研究科臼井伸之介先生。95名の受講生が集まりました。
私たちが、したくはないけどしてしまう「うっかりミス」。講座では「うっかりミスはおこってしまうもの」であることを前提として、そのような人間の特性を考慮した上で、エラーを防止するにはどうしたら良いか、認知心理学の知見から分かりやすく解説していただきました。

ご本人曰く「顔は濃いけど名前は薄い」臼井先生。

交互に出てくる二枚の画像の違いを認識しながら四隅のメーターのうちどの針が動いたか、を答えるという認知実験。画像の違いか、メーターの針か、どちらかに集中すれば容易ですが、両方検出となると筆者は正解5割でした。同時に複数のことに注意を払うのは難しい、つまり、一度に複数の作業を行うとミスをしやすくなる、ということを身をもって実感。
人間の注意力には限界があります。エラーや事故を防ぐためには、この限界を把握した上で、装置や器具をミスのおこりにくい仕様に改善していくことや、フールプルーフ機構(機器を誤って操作しても安全に作動するメカニズム)の導入などが安全対策として重要です、と臼井先生。
また、「慣れ」もまたエラーの原因となります(車の運転のように、操作に慣れないうちは慎重に行いますが、慣れてくると、ついうっかり、がおこりがちですよね)。これに対しては、慣れにより自分の行動を全て自動化させるのではなく、指差し確認やチェックリストなどを活用して行為を意識化したり、第三者の目を取り入れる、定期的な再教育を行う、などが対策としてあげられました。
人は誰でも間違えるものです。それを受け入れた上で、そのミスの原因を「ついうっかり、出来心で」で終わらせず「何故おこったのか」と考える習慣を持つこと、また「ヒヤリハット」のあるところには事故や大トラブルの芽があることを意識することが大切である、というメッセージで講座は締めくくられました。
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文責:21世紀懐徳堂 中込